動画制作会社の比較|どこも同じに見える6社の違いと、見積もりの前に聞くこと
初めて動画を外注しようと制作会社のサイトを開くと、どこも同じような言葉が並んでいて違いが分かりません。6社の事業内容と公開している数字を見比べました。見積もりを頼む前に社内で決めておくことと、制作会社に聞くことも書いています。順位はつけていません。
初めて動画を外注することになって、制作会社のサイトを何社か開くと、どこにも似た言葉が並んでいます。
- 企画から納品まで一気通貫
- マーケティング視点での設計
- 豊富な制作実績
これだけ読んでも、何が違うのか分かりませんよね。
違いが分かるのは、会社概要の「事業内容」の欄と、その会社が公開している数字です。
たとえば、プルークスは事業内容に「広告運用」(広告を出し、結果を見ながら出し方を直していく仕事)を挙げています。
Google・Yahoo! JAPANの正規広告代理店(両社のサイトに出す広告を扱う代理店として、両社に認められた会社)であることも書かれています。
動画を作るだけでなく、できた動画を広告として出すところまで頼める会社です。
揚羽の事業内容には、「動画制作」「映像制作」の語がありません。
書かれているのは「ブランディング支援全般」、つまり会社や商品が世の中からどう受け取られるかを形づくる仕事の支援です。
Crevoは、国内外1万人超のクリエイター(映像の作り手)とつながりがあると公開しています。
宣伝の言葉より先に、事業内容の欄を見てください。動画のほかに何を引き受ける会社なのかが分かります。
このメディア(OJ LAB)を運営している弊社、株式会社OrangeJacketも、映像制作とWebマーケティング(インターネットでの集客)の会社です。
比べられる側の会社が書く記事なので、弊社も6社目として同じ形で並べ、順位はつけていません。
この記事で答えるのは、次の4つです。
- 各社が公開している実績の数字は、並べて比べてよいのか
- 6社は、それぞれ何にいちばん力を入れているのか
- 見積もりの前に、制作会社に何を聞けばいいのか
- 候補を1社に絞るには、何から始めればいいのか
調べて分かった事実と弊社の考えは、分けて書きます。
1. 実績の数字は、大きさだけでは比べられない
この記事の6社のサイトにも、次のような実績の数字が載っています。
- 制作実績10,000件以上(Crevo)
- 累計20,000本以上、年間1,500本以上(LOCUS)
- 年間映像制作7,000本以上(サムシングファン)
多い順に並べたくなりますが、「件」と「本」、「累計」と「年間」が混ざっています。
何を1件と数えるのか、いつからの数なのかも、そろっているとは限りません。
どれも、各社が自分で公開している数字です。
数字が大きいことと、これから頼む1本がうまくいくことは別の話です。
2. 6社は、それぞれ違うところにいちばん力を入れている
下の「いちばん力を入れていること」は、各社のサイトと会社概要、公開している数字をもとに、弊社が読み取ったものです。
「相談しやすい依頼」と、4章の各社の欄にある「こんな依頼に向きます」も、弊社の見立てです。
6社は、次の3つに当てはまる会社から選びました。
- 公開情報だけで、他社との違いを説明できる
- 制作の実績や体制を、自社サイトなどで具体的に公開している
- いちばん力を入れていることが、6社のあいだで重ならない
下の一覧の「運用」は、YouTubeやSNSのアカウントに動画の投稿を続け、見られた数を確かめながら、次に何を出すかを考えていく仕事を指します。
- Crevo株式会社
- いちばん力を入れていること:アニメーション・実写(撮影した映像)・3DCG(コンピューターで作る立体の映像)のどれでも作る
- 相談しやすい依頼:アニメーションにするか撮影するかも決まっていない段階から、「これを伝えたい」と相談したい
- 株式会社プルークス
- いちばん力を入れていること:動画を作り、広告として配信するところまで引き受ける
- 相談しやすい依頼:できた動画を広告として出すところまで、1社に頼みたい
- 株式会社LOCUS
- いちばん力を入れていること:多くの本数を作る
- 相談しやすい依頼:シリーズものや多言語版など、まとまった本数を頼みたい(公式サイトでは、年間1,500本以上を作っていると書いています)
- 株式会社サムシングファン
- いちばん力を入れていること:同社に登録している14,000名以上の動画クリエイターと組んで、映像を作る
- 相談しやすい依頼:ライブ配信(撮りながらそのまま流す配信)を頼みたい、大阪や名古屋で撮影したい(年間ライブ配信250件以上、3拠点と公開)
- 株式会社揚羽
- いちばん力を入れていること:動画を、ブランディングの手段の1つとして作る
- 相談しやすい依頼:動画と採用サイト、パンフレットの印象をそろえたい(事業内容は「ブランディング支援全般」です)
- 株式会社OrangeJacket
- いちばん力を入れていること:社内のスタッフで作り、公開後のSNSやYouTubeの運用まで引き受ける
- 相談しやすい依頼:打ち合わせに出る人と編集する人が、同じ会社にいてほしい
弊社の「いちばん力を入れていること」だけは、公開情報では確かめられない自己申告です(理由は4章の弊社の欄に書いています)。
3. 見積もりの前に、撮影や編集をするのが社内のスタッフか外部の人かを聞いておく
見積もりの金額には、制作を自社のスタッフで行うか、外部のクリエイター(社外の映像の作り手)と組んで行うかも関わります。
6社のうち、組んでいる外部のクリエイターの人数を公開しているのは、次の4社です。
- Crevo(国内外1万人超)
- プルークス(1,000名超)
- LOCUS(800名以上)
- サムシングファン(登録14,000名以上)
ここからは弊社の考えです。
外部のクリエイターと組めば、アニメーションや3DCGなど作れる映像の種類が広がり、同時に進められる本数も増えます。
急ぎの案件でも、人を増やしやすくなります。
その代わり、打ち合わせに出てくる人と、実際に編集する人が別の人になりやすくなります。
発注した側の要望は、間に立つ担当者を通して編集する人に伝わります。
その場合、見積もりには、この担当者が要望を伝えたり日程を調整したりする費用も入ります。
社内で作る会社なら、打ち合わせに出る人と編集する人が同じ会社にいるので、間に入る人が少なくなります。
ただ、一度に進められる本数と使える手法は、社内の人数と得意分野の範囲までです。
どちらが安いとは言えません。
見積もりを比べる前に、次のように聞いておいてください。
この案件の撮影や編集は、御社のスタッフの方が担当しますか。外部の方に頼みますか。
外部の方なら、要望は誰に伝えるのか、日程の調整は誰がするのかも聞いてください。
その作業の費用が見積もりのどこに入っているかも、あわせて確かめられます。
4. 6社の会社概要と数字、向いている依頼
各社の会社概要と数字は、2026年8月時点で各社が公開している情報です。
Crevo株式会社
いちばん力を入れていること:アニメーション・実写・3DCGのどれでも作る

| 所在地 | 東京都港区六本木4-8-5 和幸ビル502 |
| 設立 | 2012年6月5日 |
| 代表者 | 水口 仁志 |
| 事業内容 | 動画制作・動画コンサルティング業 |
アニメーションも、撮影した映像(実写)も、3DCGも扱う制作会社です。
公式サイトでは、次の3つを公開しています。
- 制作実績10,000件以上
- 取引2,000社以上
- 国内外1万人超のクリエイターネットワーク
こんな依頼に向きます
- 形のないサービスや仕事の手順など、撮影しても伝わりにくいものを説明したい場合
公式サイト:https://crevo.jp/
株式会社プルークス
いちばん力を入れていること:動画を作り、広告として配信するところまで引き受ける

| 所在地 | 東京都中央区日本橋大伝馬町14-17 大伝馬町千歳ビル4階 |
| 代表者 | 代表取締役社長 丸山 博幸 |
| 事業内容 | 動画制作・映像制作、縦型ショートドラマ、広告運用、ライブ配信代行、Webサイト制作、YouTube/TikTokコンサル・運用代行 |
制作実績は2,000社8,000本以上、クリエイターネットワークは1,000名超です。
会社概要には、株主としてJCOM株式会社の記載もあります。
事業内容の欄には、Google・Yahoo! JAPANの正規広告代理店であることも書かれています。
動画の制作と、できた動画の広告配信を、同じ会社に頼めます。
6社の中では、LOCUSも事業内容に広告代理業を挙げています。
こんな依頼に向きます
- 動画と、YouTube・TikTokの運用をまとめて外部に任せたい場合(事業内容に「YouTube/TikTokコンサル・運用代行」とあります)
公式サイト:https://proox.co.jp/
株式会社LOCUS
いちばん力を入れていること:多くの本数を作る

| 所在地 | 東京都千代田区内幸町2-1-6 日比谷パークフロント18階 |
| 設立 | 2010年4月2日 |
| 代表者 | 瀧 良太 |
| 事業内容 | 動画制作・映像制作、動画コンサルティング、採用コンサルティング、運用型テレビCM「FAST CM」、YouTubeチャンネルコンサルティング、動画クリエイターマッチング「ムビサポ」、WEB・グラフィックの企画制作、広告代理業 |
公開している数字は、次の4つです。
- 累計20,000本以上
- 年間1,500本以上
- 取引2,000社以上
- クリエイター800名以上
公式サイトには「非常に高いリピート率70%以上」とも書かれています(リピート率は、もう一度依頼される割合のことです)。
ただ、何を数えた割合なのか、その母数(何社・何件のうちの70%か)と期間は公開されていません。
公開されている数字から分かるのは、年間1,500本を制作できる体制があるところまでです。
案件ごとにどう進めるかは、公開情報からは分かりません。
こんな依頼に向きます
- 採用やテレビCMについても、あわせて相談したい場合(事業内容に「採用コンサルティング」「運用型テレビCM『FAST CM』」とあります)
公式サイト:https://www.locus-inc.co.jp/
株式会社サムシングファン
いちばん力を入れていること:登録している動画クリエイターと組んで、映像を作る

| 拠点 | 東京(千代田区神田錦町)/大阪(福島区)/名古屋(東区) |
| 設立 | 2003年3月3日 |
| 代表者 | 代表取締役 薮本 直樹 |
| 事業内容 | クリエイターエージェンシー、動画DX®・映像制作、クロスメディア戦略支援 |
公開している数字は、次の4つです。
- 年間映像制作7,000本以上
- 登録動画クリエイター14,000名以上
- 年間ライブ配信250件以上
- 取引企業約600社
事業内容の最初には、「クリエイターエージェンシー」という同社の言葉で事業を挙げ、登録動画クリエイター14,000名以上という数字もあわせて公開しています。
クリエイターエージェンシー事業で何を頼めるのかは、相談するときに同社に聞いてみてください。
こんな依頼に向きます
- 毎月や毎週など、続けて動画が必要になる案件
公式サイト:https://www.somethingfun.co.jp/
株式会社揚羽
いちばん力を入れていること:動画を、ブランディングの手段の1つとして作る

| 所在地 | 東京都中央区八丁堀2-12-7 八丁堀トーセイビルⅢ 3F |
| 設立 | 2001年8月 |
| 代表者 | 代表取締役社長 湊 剛宏 |
| 事業内容 | ブランディング支援全般(コーポレート/インナー/サステナビリティ/採用ブランディング、デジタルマーケティング) |
東京証券取引所グロース市場および名古屋証券取引所ネクスト市場に上場しています(証券コード9330)。
ブランディング支援の実績として、920社を超える企業を挙げています。
揚羽は、自社を動画制作会社とは名乗っていません。
6社の会社概要のうち、事業内容に「動画制作」「映像制作」の語が入っていないのも揚羽だけです。
事業内容を見るかぎり、事業の中心はブランディングにあり、動画はその手段の1つという位置づけです。
こんな依頼に向きます
- 採用ブランディング(応募する人から会社がどう見えるかを整えること)や、理念の刷新に合わせて作る動画
- 発注先が上場企業であることを、社内の稟議で求められる場合
公式サイト:https://www.ageha.tv/
株式会社OrangeJacket
いちばん力を入れていること:社内のスタッフで作り、公開後の運用まで引き受ける

| 所在地 | 東京都北区浮間2-22-9 |
| 設立 | 2024年7月 |
| 代表者 | 山田 将貴 |
| 事業内容 | 映像制作/SNS運用代行/YouTube運用代行 |
取引実績として、次の会社名を公開しています。
- 三菱倉庫
- LUUP
- アルビレックス新潟
- アサヒサンクリーン
- FLIE ONE
弊社代表は、映像の加工ソフトAfter Effects(Ae)を中心にしたYouTubeチャンネル「Raccon Effect」を運営しています。
Aeを使う人が集まるコミュニティ「Aechat」の運営も、弊社代表です。
東京商工会議所の社長ネットに弊社が載せたプロフィールでは、制作実績1,000本以上、広告代理店からのリピート率80%超を挙げています。
80%は広告代理店からの案件だけを数えた数字で、数え方の説明と集計期間は書いていません。
LOCUSの70%とは、同じ数え方かどうかを確かめられないので、並べて比べられません。
まず、不利な点です。
設立は2024年7月で、6社のなかでいちばん社歴が短い会社です。
制作実績は1,000本以上です。
「累計」と「年間」が混ざっていても、LOCUSの累計20,000本以上や、サムシングファンの年間7,000本以上より少ない数字です。
同時に何十本も進める案件や、発注先の社歴が社内の稟議で問われる発注なら、弊社以外の会社のほうが合うと思います。
弊社がいちばん力を入れているのは、社内のスタッフで制作し、公開したあとのSNSやYouTubeの運用まで担う形です。
ただし、この点は弊社の自己申告で、ほかの5社のように公開情報から確かめられる形にはなっていません。
弊社のサイトには、この体制について書いていないからです。
3章の「撮影や編集は、御社のスタッフの方が担当しますか」という質問を、弊社にもして確かめてください。
こんな依頼に向きます
- 撮影した映像を、SNS用の動画にも使う前提の案件
- 長い動画と、そこから切り出した短い動画をまとめて発注したい場合
- 途中で動画の内容が変わりそうな案件
公式サイト:https://orangejacket.co.jp/
5. 1社に絞る前に、2社に同じ条件で見積もりを頼む
見積もりを頼む前に、社内で次の3つを決めておいてください。
- 動画を見た人に、次にしてほしいこと(資料請求なのか、応募なのか、社員に会社の方針を知ってもらえればよいのか)
- 動画を出す場所(展示会のブースで音を出さずに流すのか、採用サイトのいちばん上に置くのか、広告として配信するのか)
- 最終的に決める人(発注や完成した動画にOKを出す人)
次にしてほしいことが決まっていないと、制作会社は何を目指して作ればよいかを決められません。
弊社は、出来上がった動画を見て「何か違う」となる原因の多くは、ここが決まっていないことだと考えています。
動画を出す場所によって、動画の長さや中身の組み立ても変わります。
たとえば、展示会のブースで音を出さずに流すなら、画面の文字だけで伝わる作りが必要です。
発注や完成した動画にOKを出す人には、最初から話し合いに入ってもらってください。
途中から加わると、撮り直しや作り直しになることがあります。
3つが決まったら、2章の一覧の「相談しやすい依頼」から、自社の依頼に近い会社を2社選びます。
その2社に、同じ条件で見積もりを頼みます。
そろえる条件は、次の5つです。
- 動画の長さ
- 本数
- 撮影日数
- 納品形式(完成した動画をどんなファイルで受け取るか)
- 修正回数
条件がそろっていない見積もりを2枚並べても、金額の差が何の差なのかは読み取れません。
たとえば、安いほうの見積もりに「修正2回目から追加費用」と書かれていたら、金額の差は修正の回数で生まれているかもしれません。
届いた見積書の比べ方は、動画制作の見積書を比較する前にに書きました。
2社の見積もりが出たら、金額より先に次の2つを確かめてください。
- こちらが伝えた条件が、見積もりに正しく反映されているか
- 撮影や編集を誰が担当し、その作業の費用が見積書のどの項目に入っているか
条件を取り違えたまま制作が始まると、出来上がる動画も頼んだ内容からずれてしまいます。
2つを確かめて内容をそろえてから、金額を比べてください。
この記事に書けていないこと:進行の速さや担当者との相性
6社の情報は、各社が公開している記載だけをもとにしていて、取材はしていません。
次のようなことは、公開情報だけでは分かりません。
- 進行の速さ
- 担当者との相性
- 修正への対応
まとめ
制作会社の違いを見るなら、宣伝の言葉より先に、会社概要の事業内容を見てください。
- 実績の数字は「件」と「本」、「累計」と「年間」が混ざっているので、大小で比べない
- 見積もりの前に、撮影や編集を社内のスタッフがするのか、外部の人がするのかを聞いておく
- 2社に同じ条件で見積もりを頼み、条件が反映されているかを確かめてから金額を比べる
まずは社内で、動画を見た人に次にしてほしいことを1行で書いてみてください。
書けたら、2章の一覧の「相談しやすい依頼」と見比べて、見積もりを頼む2社を選んでください。
弊社では、企業のサービス紹介動画・会社紹介動画の制作を行っています!
企画から撮影、編集まで全て請け負うことができるので、ご興味がある方はぜひ弊社にお問い合わせください!