企業YouTubeで再生回数はあるのに登録者が増えないのはなぜ?次に見る数字
再生回数は伸びているのに、チャンネル登録が増えない。多くは、検索で調べて来た人が、知りたいことだけ分かって帰っているからです。登録者の数と一緒にYouTubeの分析画面で何を確かめるか、上司にどう報告するか、次の動画を制作会社にどう頼むかを書きました。
「再生回数は伸びているのに、チャンネル登録が全然増えないんです」
毎月の数字を見るたびに、そう思っている担当の方もいると思います。
再生回数のグラフは右肩上がりなのに、登録者の数はほとんど増えない。
そのグラフを見た上司に「で、YouTubeって効果は出てるの?」と聞かれると、答えに詰まりますよね。
見てもらえているのに、なぜ登録してもらえないのでしょうか。
多くの場合、YouTubeやGoogleで調べて来た人が、知りたいことが分かってそのまま帰っているからです。
動画の出来が悪いとは限りません。
たとえば、会計ソフトの会社が「経費精算のやり方」という動画を出しているとします。
やり方を知りたくて来た人なら、手順が分かれば用は済みます。
そのあとも、この会社の動画を見たいと思うかどうかは、また別の話です。
登録者の数と一緒に、同じチャンネルの別の動画も続けて見てもらえているかを確かめてください。
弊社は、映像制作とWebマーケティングの会社です。
企業のYouTube番組を作り、投稿や運用もお手伝いしています。
この記事で答えるのは、次の4つです。
- 再生回数が伸びているのに、なぜ登録者は増えないのか
- 登録者の数のほかに、YouTubeの分析画面で何を見ればいいのか
- 社内で「効果は出てるの?」と聞かれたら、何を見せればいいのか
- 次の動画を頼むとき、制作会社に何と伝えればいいのか
調べて分かった事実と弊社の考えは、分けて書きます。
1. 調べて来た人は、答えが分かるとチャンネル登録をせずに帰る

YouTubeで検索に出やすくするためのツールを出しているYouSEOは、こう書いています。
Search-driven viewers came for a specific answer. Once they have it, most leave — and that’s normal.
検索から来た人は、決まった答えを探しに来ている。
だから答えが分かれば、ほとんどが帰る。それは普通のことだ、という説明です。
「YouTube Certified Expert」の肩書きで発信しているAlan Spicer氏も、同じことを書いています。
High-view, low-subscriber videos are typically search-driven content where viewers find a specific answer and leave without subscribing because they have no ongoing reason to — the video answered their question completely.
再生回数のわりに、その動画を見て登録した人が少ない。
そういう動画は、たいてい検索で見られている動画です。
見た人はその1本で疑問が解けたので、登録してまで見続ける理由がない、というわけです。
弊社も、番組のテーマを探してYouTubeを調べたとき、登録者が少ないのに再生回数が多い動画をいくつも見つけました。
では、1,000回再生されて登録者が何人増えていれば、少なすぎないと言えるのでしょうか。
再生回数に対して、登録者が何人増えたかの割合を「登録転換率」と呼びます。
たとえば1,000回再生されて登録者が10人増えたら、登録転換率は1%です。
分析画面では、動画ごとに、その動画を見て登録した人の数も出ます。
そのため、動画1本ずつでも、チャンネル全体でも計算できます。
公開されている目安は次のとおりです。
会計ソフトのように企業へ売る商品を扱う動画なら、「BtoB・ビジネス系」の行が近いはずです。
検索から来る人が多いなら、「検索流入が中心の動画」の行とも比べておきます。
| 動画の種類 | 登録転換率 | 出典 |
|---|---|---|
| 教育・チュートリアル系 | 1〜3% | Creator Tribune(2026年7月更新) |
| エンターテインメント系 | 0.5〜1.5% | 同上 |
| BtoB・ビジネス系 | 0.3〜1% | 同上 |
| 検索流入が中心の動画 | 0.5〜1.5% | YouSEO(2026年6月) |
BtoBの目安で計算すると、1,000回再生されて登録が3〜10人です。
1,000回見られて登録者が数人しか増えていなくても、目安から大きく外れてはいません。
ただ、どれも、どんな条件で出した数字かまでは公開されていません。
表の数字は、自社の数字と並べて、大きく外れていないかを見るくらいに使ってください。
2. 困るのは、登録されないことより、1本見て帰る人ばかりになること
チャンネル登録をしない人が、もう見に来ないとは限りません。
登録しなくても、同じチャンネルの別の動画を続けて見る人はいます。
別の日に、また見に来る人もいます。
たとえば「経費精算のやり方」を見た人が、登録はしないまま「領収書をなくしたら、どうする?」の動画も見ていく。
弊社は、こうして何本か見てもらうことが、会社の名前を覚えてもらうことにつながると考えています。
反対に、弊社が気にしているのは、1本だけ見て帰る人ばかりになっていないかです。
1本見ただけでは、どの会社の動画だったかまで覚えてもらうのは難しいと考えています。
Spicer氏は、登録者が5万人を超えた大きなチャンネルについて、こう書いています。
A channel that remains 100% search-dependent at 50,000+ subscribers may have an audience engagement problem — the algorithm is not generating repeat-viewer signals strong enough to unlock broader distribution.
登録者が5万人を超えても、再生のすべてを検索に頼っているなら、見ている人がまた見に来ていないのかもしれない。
同じ人が何度も見に来ている様子が少ないと、YouTubeはほかの人にも動画をすすめにくくなる。
これがSpicer氏の見方です。
YouTubeは、動画をすすめるときに、その人が前に見た動画や、登録しているチャンネルを材料にしていると公開しています。
ただ、それぞれをどのくらい重く見ているかまでは公開していません。
Spicer氏は、こうも書いています。
The videos that generate the most views are often not the same videos that generate the most subscribers.
いちばん再生される動画が、いちばん登録者を増やす動画とは限らない、という指摘です。
再生回数と登録者の数は、別々に見る必要があります。
ただ、この2つの数字を見ても、1本見た人が次の動画に進んでいるかまでは分かりません。
3. 分析画面では「どこから来たか」と「次の動画に進んだか」を見る
YouTubeに動画を投稿するときに使うYouTube Studioには、「アナリティクス」という分析画面があります。
ここで、見た人がYouTube検索から来たのか、ほかの動画を見ている画面の横や下のおすすめから来たのか、といった内訳が見られます。
この内訳を「トラフィックソース」と呼びます。
制作会社から月次レポートをもらっているなら、トラフィックソースの内訳と登録転換率も出してもらってください。
見るところは次の4つです。
- YouTube検索から来た割合:検索に頼りすぎていないかが分かります
- 関連動画から来た割合:再生画面の横や下に出るおすすめの動画を、分析画面では「関連動画」と呼びます。他社の動画から来た人も含みます。検索以外でも見つけてもらえているかが分かります
- 終了画面から来た数:終了画面とは、動画の最後の数秒に、ほかの動画のサムネイルを並べて出す機能です。投稿するときにYouTube Studioで設定します。自社のある動画を見終わった人が、最後に出たサムネイルを押して、別の動画に移ってきた回数です。続けて見てもらえているかが分かります
- 登録転換率:チャンネル全体の、その月の再生回数と増えた登録者の数で計算します。人数ではなく割合を毎月並べて、上がっているか下がっているかを見ます
検索の割合には、目安が2つあります。
ひとつは、見た人がどこから来たかを分析する記事を出しているHumble&Bragの目安です。
チャンネル全体の再生のうち、検索やおすすめなど、ひとつの入り口からの再生が60%を超えると、その入り口に頼りきっている状態だとしています。
もうひとつはSpicer氏で、始めたばかりのチャンネルなら、検索が8割を超えていても健全だと書いています。
6割を超えたというだけで、すぐに問題だとは言えません。
弊社なら、検索の割合が高いまま、何か月も下がっていないかを見ます。
1本見た人が次の動画に進んだかは、終了画面から来た数で確かめられます。
ただ、同じ人が別の日にまた見に来たかまでは、この4つでは分かりません。
4. 社内には、伸びている数字と伸びていない数字を一緒に見せる
「効果は出てるの?」と聞かれたら、再生回数だけでなく、伸びていない数字も一緒に見せます。
たとえば、再生回数は伸びているのに、終了画面から来た数が増えていないとします。
上司には、こう伝えられます。
再生回数は伸びています。一方で、見終わった人が終了画面から次の動画に来た数は増えていません。1本見て帰る人が多く、登録まで進んでいないと見ています。次は、終了画面にどの動画を並べるかを選び直します。
再生回数のグラフだけを見せると、「で、登録者は?」と聞かれたときに答える材料がありません。
伸びた数字だけでなく、伸びていない数字と、次に何を変えるかまで伝えてください。
ただ、分析画面の数字で分かるのは、YouTubeの中で起きたことだけです。
たとえば、動画を見た人が何件問い合わせてきたかは、この数字には出てきません。
5. 制作会社には、次に見てもらう動画まで一緒に考えてもらう
調べて来た人に見つけてもらえる動画を、やめる必要はありません。
「経費精算のやり方」を出しているなら、そこから続けて見てもらう動画も考えます。
たとえば、「経費精算でよくある差し戻し」の動画です。
手順を知った人に、次につまずきそうな所も見てもらう動画です。
制作会社には、次のように頼めます。
この動画を見終わった人に、次はどの動画を見てもらうとよさそうでしょうか。その動画を選ぶ理由も含めて、一緒に考えていただけますか。

弊社が作っているビデオポッドキャストも、続けて見てもらうための形のひとつです。
ビデオポッドキャストとは、映像つきのポッドキャスト番組のことです。
マイクを前に20分から1時間ほど話す様子を、YouTubeに続けて出していきます。
同じ進行役が同じ分野の話を対談で続けていくので、前の回で出た話の続きを、次の回で話せます。
ただ、次の回を作りやすいことと、その回も見てもらえることは別です。
シリーズにすれば登録者が増えると示す調査も、弊社では見つけられていません。
番組の話題を毎回どう決めるかは、別の記事に書きました。
まとめ
再生回数はあるのに登録者が増えないのは、多くの場合、検索から来た人がその1本で答えを知って帰っているからです。
登録者が増えていないというだけで、動画の出来が悪いとは言えません。
登録者の数と一緒に、同じチャンネルでもう1本見てもらえているかを確かめてください。
この記事で紹介した数字は、公開されている記事に載っている目安です。
弊社が実際の運用で確かめた数字ではなく、業種や扱う商品によっても変わります。
次の月次レポートでは、トラフィックソースの内訳と登録転換率も出してもらってください。
弊社では、ビデオポッドキャストのYouTube運用代行を行っています!
企画から編集、投稿まで全て請け負うことができるので、登録者が伸びずにお困りの方もぜひ弊社にお問い合わせください!